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Monte Veritàモンテ・ヴェリタ

「鳥 デュ・モーリア傑作集」より

モンテ・ヴェリタは『真実の山』を意味する。
数年前にモンテ・ヴェリタの山頂へと消えた、友人の美しい妻アンナ。
主人公は病床の友人に頼まれて、アンナへの手紙を携えモンテ・ヴェリタへと登る。
モンテ・ヴェリタ山頂にある静謐な僧院へと招き入れられて、住人たち(サセルドテッサと呼ばれる尼僧のような生活を送る人たち)の儀式を目撃する。
主人公が僧院を出て村に戻った直後に、村の男たちが山頂の僧院を襲撃して破壊するが、そこには人の気配も生活の気配もまったくなかったという。

以下ネタバレを含みます。

興味深いのは、モンテベリタの僧院内の様子。
そしてアンナの言葉。

  • 扉が確かにあるのに、岩壁と扉との境目がわからない
  • 内部は生活感がない
  • 暖かいミルク(と思われるもの)の出処
  • お揃いのチュニックや、髪を切るナイフの出処
  • 精巧な作りの水晶ベルト
  • 石にメッセージを刻む手法
  • 天井のモザイク画
  • エジプトの壁画を思わせる顔の子供3人(男子と思われる)
  • みなの歓喜の表情

 

扱っている題材は『愛』『真実』だが、世間で一般的に言われている其れとはまったく違う類いのものが、作中にて表現されている。

作中のモンテヴェリタで描かれている『愛』は、世俗的な男女の愛を意味しないし、『真実』は天国のそれとは違うようだ。
神秘的な作品で、疑問は残るが答えはない。


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